腹圧の正しいかけ方

床にある重い荷物を持つときに、腰を痛めないように深くしゃがんで持ち上げることがあると思いますが、この1つの動きに「腹圧」という今回のテーマが深く関わっています。
このように腹圧は日常生活のさりげない瞬間に使われていますが、いざトレーニングの中で「お腹に力を入れよう」とすると上手くできないことはありませんか?

今回は腹圧を紐解いて、トレーニングで効果的に実践して頂けたらと思います

腹圧のメリット

そもそもトレーニングでなぜお腹の力が必要なのでしょうか?

例えば、胸板を厚くしたいのであればお腹の力など気にせずに、胸の種目をとことんやり込めばそれでいいのでは…?と考えるのがストレートだと思います。
もちろんこれは一つの正解です。

ただ、身体は常に連鎖していることを踏まえると、腹圧なしのトレーニングで大丈夫なのか?という疑問が少し湧いてくるのではないでしょうか?

お腹には下半身からもらった力を配給する大切な役割があります。
つまり、
全てのトレーニングでお腹が稼働していることが理想であり、腹圧の高い状態はトレーニング効果を大幅に高めることを意味しています。

では、腹圧のメリットを具体的に見ていきます。

腰部の安定性アップ

腰椎は、5つの椎骨とクッション作用のある椎間板が交互に積み重なる、いわゆる「積み木」構造になっています。
身体の中央に位置するため、日常生活やスポーツのあらゆる動きに影響を受けますが、多少のズレや衝撃には椎間板で保護されます。

しかし、腰椎が過度に湾曲した状態での動きが一定期間続くと、椎間板が飛び出して、周囲の神経を圧迫して痛みや痺れを伴う「ヘルニア」を発症してしまいます。
このような症例が後を絶たないということは、椎間板だけでは腰部を支えることができないということです。

つまり、椎間板と協力して腰部を安定させる組織…筋肉!が必要になってくるのです。
筋肉については後ほど詳しく解説していきますが、筋肉が連動して腹圧がかかるおかげで、腰部の安定性が格段にアップしていきます。

~腰部の高い安定性が必要な種目~

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筋出力アップ

爆発的に力を発揮するアスリートの動きをスロー再生してみると、強い腹圧がかかった状態で身体が連動していることが分かります。
動きのプロであるアスリートは、合理的に力を発揮することを追及していますが、その動きに腹圧は切っても切り離せない関係にあります。

例えば、ボールを投げるときにリリースするのは手、ボールを蹴るときに捉えるのは脚ですが、最終局面でどれだけ力んでも腹圧がかかっていない動きでは、パワー不足という結果を招いてしまいます。
以下の腹圧のメカニズムと正しいかけ方をお読みいただき、高いパフォーマンスに繋げてもらえたらと思います。

腹圧のメカニズム

腹圧をより正確に捉えるために、違う環境に置き換えて考えてみましょう。

例えば6割くらい空気が入ったポリ袋を手で強く握ってみると、中の圧力が高まって袋がパンパンに膨らんでいきますが、メカニズムとしては袋のスペースが制限されたことによって、中の空気が逃げ場を失い、結果的に外への圧力が強くなったということです。
これをお腹の中で再現するためには、お腹のスペースを制限→圧力を高めるという流れを構築すれば良いわけですので、袋と同じ役割を果たしてくれる筋肉を次に見ていきましょう。

関与している筋肉

胸骨の下にあるドーム状の横隔膜という筋肉がありますが、横隔膜以下のお腹の内部の空間を腹腔と言います。
腹腔内の圧力を略して腹圧と呼んでいますが、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋群、多裂筋(補助的に)、これらの4つの筋肉が関与しています。

【横隔膜】…胸腔と腹腔を隔てる筋肉で、呼吸の主要筋として働いています。吸気時に下降し、呼気時に上昇します。

【腹横筋】…内腹斜筋の深部に位置する腹部の最深層筋です。

【骨盤底筋群】…深会陰横筋、尿道括約筋、肛門挙筋、尾骨筋で構成され、内臓の保護、骨盤定位、排泄機能筋として働いています。呼吸時に横隔膜と連動しています。

【多裂筋】…頸椎2番から仙骨まで伸びる背部深層筋で、関節を安定させる働きをします。

腹圧のかけ方には2つのバリエーションがありますので以下で解説していきます。

腹圧のバリエーション

腹圧にはドローインとブレーシングという方法があります。
ドローインは水泳や体幹トレーニングの種目にありますので、一度は耳にしたことがある方がいらっしゃるかもしれません。
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

ドローイン

【正しいやり方とシステム】

まず、力が弱まった状態で身体をニュートラルにして、呼吸を整えます。
そして、お腹を深くへこませる動きで腹横筋を身体の内側に寄せていきます。

呼吸により腹横筋と骨盤底筋群は上下動しますが、腹横筋を保持することで、高い腹圧を得ることができます。
一度安定した内圧ポジションがつくれれば、呼吸をしながら様々な動きに取り入れることができます。

【シチュエーション】

水泳、コアトレーニング

ブレーシング

【正しいやり方とシステム】

ブレーシングはドローインの延長にあるメソッドで、爆発的に力を発揮するときに使います。

まず、力が弱まった状態で身体をニュートラルにして、呼吸を整えお腹を深くへこませる動きで腹横筋を身体の内側に寄せていきます。…①
ここまではドローインと同じです。(すでに腹圧が高い状態)

次に、取り込んだ空気をはきながら、お腹を前にグッと押し当てていきます。…②

トレーニングベルトはドローイン状態で巻いて、さらにお腹を押し当てることで、腹部周囲の深層筋が稼働させて腹圧を高めてくれます。
浴衣の帯も強い圧迫感があると思いますが、お腹が帯に当たっている状態は、実は「無意識のブレーシング」となります。

【シチュエーション】

ウエイトトレーニング、強度の高いコアトレーニング
(例)スクワット
(上記の番号を当てはめると)上体を下げる動きが①で、上げる動きが②

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腹圧をサポートするアイテム

おすすめアイテムはトレーニングベルトです!

以下の記事で紹介していますので、ぜひご参照ください。

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